
旅に出かけてその土地のものを食べたいと思うのは当然なのですが、鉄道の旅の場合には駅弁が食の選択肢に加わります。この駅ではこの有名駅弁を食べる、と計画的に食べるのも良いですし、行き当たりばったりの駅で目を惹いた駅弁を食べるも良いですし、また行く先々の駅の幕の内食べ比べるのも良いでしょう。その楽しみ方は人それぞれですが、その土地ならではの味が凝縮された駅弁を旅情感をスパイスに味わうのが良いと思います。
ただ、最近の駅弁は決して安くないのが引っかかるところではあります。戦時中はご飯がなかなか手に入らなかったことから、焼きイモの駅弁もあったと言います。駅弁文化は戦後、再び復興することになりますが、ピークは昭和40年代と言われています。それ以降は、窓が開かない車両が増えましたから、窓越しに乗客がホームの売り子から駅弁を買う姿はすっかり無くなってしまいました。
車内販売をする列車も最近は少なくなりましたから、結果的に弁当は乗車前に買っておかざるを得ない状況になってしまいました。食堂車も完全に廃止されてしまいまし、時代の流れというのでしょうか、残念ながらのんびりと列車の旅を楽しむというのが、しづらくなる傾向にあります。以前は当たり前だった駅弁販売の形態の駅弁立売が、現在ではほとんど見られない理由は、立売では駅弁が売れないからだと言われています。
かつては、一日一人千個販売という時代もあったどそうですが、現在では十数個程度が精一杯ということですから、これでは立売人の人件費もまかなうことはできません。時代の進化で鉄道のスピードアップが駅での停車時間を短縮させ、窓の開かない特急列車の増加は立売人と乗客との距離を遠ざけましたから、立売での販売では駅弁が売りづらく、かつ売れにくくなって売店や車内での販売に自然と替わっていきました。人件費の増加やきつい職業の敬遠によってなり手がないことも、立売衰退の一因かと考えられています。
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札幌駅は、もっとも駅弁の数が豊富です。「ジンギスカンあったか弁当」、宗谷黒牛を使った「北の黒牛弁当」・・・・